テスト
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全員協議会とは、本会議や委員会の前に議員全員が集まり、市政の重要事項について市長や行政から説明を受け、協議・調整を行う場です。原則として、議案の採決は行いません。
今回は、令和8年度予算案の基本方針や主な事業を、全議員に説明するために開かれました。
この説明を踏まえ、予算案は2月27日に本会議へ提出されました。予算審査特別委員会などでの審査を経て、3月27日に賛成多数で可決されました。
「税収や交付金は増えていますが、福祉、人件費、物価高騰などによって支出も増えています。基金の取り崩しも続いており、財政状況を楽観することはできません。
資材価格や人件費の上昇で、都市再生などの事業を計画どおり進めることも難しくなっています。事業の優先順位や進め方を見直しながら、平和、防災、駅前再開発、国立天文台周辺のまちづくり、公共施設の維持更新などを進めます。」
令和8年度予算について、三つの考え方と予算の概要が示されました。
・みたかデジタル商品券の発行や、非課税世帯などへの給付を継続する。
・介護、障がい福祉、保育などの事業所への支援を拡充する。
・9つの基本政策方針のスローガンに基づき、未来志向のまちづくりを進める。
https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/105/105582.html
福祉や人件費、施設の維持費が増える一方、ふるさと納税による市税の流出は18億円を超える見込みです。今までと同じ方法で行政を続けると、将来の市民サービスを維持できなくなるため、仕事の進め方、組織、財源の使い方を見直します。
・公共施設の管理方法を変更
これまでは、各部署が施設ごとに点検や修繕を発注していました。そのため、手続きが分散し、専門的な点検や故障の予防が十分にできないという課題がありました。
令和8年度からは、94施設の維持管理をまとめて専門事業者へ委託します。事務を効率化するとともに、故障してから修理するのではなく、早めに不具合を発見して施設を長く使うことを目指します。
総務費はこの委託の導入によって増えますが、各部署に分かれていた既存の管理費を総務費へまとめる部分もあり、すべてが新たな支出ではありません。
・公共サービスの質を確保
工事や委託を安さだけで発注すると、そこで働く人の待遇が悪化し、人材不足やサービス低下につながるおそれがあります。
そのため、公契約条例を段階的に施行し、市の仕事を受注する事業者が守る労働報酬の最低額について審議します。単に経費を削るのではなく、適正な労働条件を確保して、公共サービスの質を維持する考えです。
・事業と市の負担を見直す
福祉、人件費、物価高騰などによって、毎年継続して必要となる経費が増えています。このため、既存事業をそのまま続けるのではなく、利用状況や必要性を確認する「歳出の総点検」を続けます。
社会福祉事業団職員の処遇改善についても、市の補助金を一度に増やすのではなく、事業団が持つ内部留保金を活用しながら、市の負担が急増しないよう平準化します。
・新しい課題に合わせて組織を変更
平和・人権施策、市史編さん、事務の適正化など、従来の組織では対応しにくい仕事が増えています。
そのため「平和人権課」や、市史編さんなどを担当する臨時組織を新設します。新規・拡充事業に人員を配置する一方、事業の必要性も点検し、職員数が際限なく増えないよう調整します。
・デジタル化で仕事を効率化
現在の市ホームページは導入から長期間が経過し、検索やスマートフォンでの利用に課題があります。また、窓口で同じ内容を何度も書くことや、紙の文書を前提とした事務も残っています。
このため、ホームページを全面リニューアルし、「書かない窓口」、庁内文書のペーパーレス化、生成AIの活用を進めます。
一方、デジタル化によって高齢者などが取り残されないよう、スマートフォン購入費の助成も行います。デジタル化はサービスを減らすためではなく、職員の事務を減らし、市民対応へ時間を振り向けることが目的です。
・新しい国の制度に対応
国が「子ども・子育て支援金制度」を新設するため、国民健康保険に加入する世帯についても新たな負担が発生します。そのため、市は国民健康保険税を改定します。
これは三鷹市独自の子育て事業を行うための増税ではなく、国の制度変更に対応するものです。
・市税の流出を補う財源を確保
ふるさと納税による市税の減収は18億円を超える見込みです。
市は返礼品の充実や、トイレカー購入のためのクラウドファンディングを行うほか、国や東京都に制度の見直しを求めます。
また、国や東京都の補助金を活用し、令和7年度の国の補正予算で交付された物価高騰対策の財源の一部を、令和8年度の事業に振り向けます。
・借金と基金を使いすぎない
道路や公共施設など、将来の市民も利用する施設には、市債を活用して世代間で負担を分けます。一方、三鷹中央防災公園の整備で借りた市債は、一部を前倒しで返済し、返済期間を短くします。
基金は令和8年度も取り崩しますが、令和7年度の補正予算で積み立てを行い、年度末に一定の残高を残す方針です。
予算概要について
令和8年度の一般会計は926億9,525万円で、前年度より約32億4,151万円増えました。
予算が増えた最大の理由は、新しい大型事業を次々に始めるためではありません。福祉、人件費、物価高騰など、現在の行政サービスを続けるために必要な経費が増えたためです。
何のために支出が増えたのか
最も増えたのは民生費です。
民生費は487億8,731万円で、前年度より約31億5,792万円増えます。
障がい福祉サービスの利用増、私立保育園の運営費の改定、福祉コアかみれんの大規模改修、最高裁判決を受けた生活保護費の追加支給などが主な理由です。
総務費は123億4,755万円で、約8億5,353万円増えます。
給与改定や退職手当、本庁舎の空調改修、公共施設の包括管理などが増加の理由です。ただし、包括管理については、各部署に分かれていた既存経費を総務費へまとめる部分も含まれます。
このほか、下水道の処理単価、消防業務の負担金、ごみ収集の委託費なども、物価や人件費の上昇によって増えます。
経費の性質で見ると、人件費が約8億4,711万円、福祉などの扶助費が約11億7,236万円、施設や事業者への補助・負担金が約14億5,031万円増えています。
何を減らしたのか
教育費は、前年度より約14億6,110万円減ります。
ただし、教育サービスを一律に削ったわけではありません。大沢総合グラウンド、井口グラウンド、小・中学校の給排水設備などの工事が完了したことが主な理由です。
建設・改修などの投資的経費も、約4億6,994万円減ります。
福祉コアかみれんや本庁舎の改修は行いますが、前年度までに完了した施設工事の減額が、それを上回りました。
また、建設費の高騰によって、三鷹駅前再開発、国立天文台周辺のまちづくり、井口特設グラウンド跡地の活用などは、規模や時期を見直しています。
つまり、工事が終わった事業や、計画を見直している大型事業の支出を減らす一方、福祉、人件費、物価高騰対策など、先送りしにくい経費が増えたという構造です。
増えた支出を何で賄うのか
市税は438億6,918万円で、前年度より約19億5,784万円増える見込みです。
給与所得や納税者数の増加によって個人市民税が増え、新築住宅の増加によって固定資産税なども増えます。一方、法人市民税は企業収益の見込みを反映して約3億5,504万円減ります。
地方消費税交付金や株式等譲渡所得割交付金も増えるため、市税と各種交付金を合わせると、前年度より約32億円増えます。
国や東京都からの補助金も増えます。障がい福祉、私立保育園、第1子の保育料無償化、学校給食費の負担軽減などに使われます。
基金と借金はどうしたのか
市税や交付金が増えるため、基金の取り崩しは22億1,072万円となり、前年度より約9億5,761万円減ります。
それでも基金を使わずに予算を組めたわけではありません。
健康福祉基金は、エアコン購入費助成や予防接種などに使います。子ども・子育て基金は、熱中症対策、子どもの居場所、学校給食費の負担軽減などに使います。まちづくり施設整備基金は、道路や公共施設の整備に使います。
市債、つまり新たな借金は21億6,000万円で、前年度より約3億6,700万円減ります。
福祉コアかみれんの改修などでは市債が増えますが、大沢総合グラウンドや下連雀複合施設の工事が終わったため、それらの借入額が減ります。
要するに。
支出:福祉費が約31.6億円、総務費が約8.5億円、土木費が約4億円増えた一方、工事の完了などにより教育費を約14.6億円、償還と新規発行抑制により公債費を約1.3億円減らし、全体では約32.4億円増えた。
収入:市税が約19.6億円、地方消費税交付金が約6.6億円、株式等譲渡所得割交付金が約4.6億円増え、障がい福祉や保育、給食費無償化などのための国・都の補助金も約17.4億円増えた。
税収や国・都の補助金だけで賄えない部分については、基金を約22.1億円取り崩し、市債を21.6億円発行する。基金は約2.8億円を積み立てるため、差し引きで約19.3億円減る計算。
一方、市債は21.6億円を新たに借りるものの、元金を約31.8億円返済するため、借金残高は約10.2億円減り、約219億円から約208.8億円となる見込み。
なお、前年比では、基金の取り崩し額は約9.6億円、市債の新規発行額は約3.7億円減っています。「3.7億円減」は借金残高ではなく、新たに借りる額の前年比です。
要するに、令和8年度は、福祉、人件費、物価高騰によって支出が増えましたが、増えた市税や国・都の補助金を主な財源とし、完了した工事や見直し中の大型事業では支出を抑えています。基金の取り崩しと借金は続きますが、どちらも前年度より減らしています。
伊藤恵三 企画部調整担当部長より
令和8年度の主要事業について、これまでの課題と、それを受けた対応が説明されました。
物価高騰で計画を見直す事業
・三鷹駅南口中央通り東地区の再開発
建設費の高騰により、当初計画のままでは事業の成立が難しくなりました。このため、建物の規模や事業範囲を見直し、「子どもの森」と緑の空間を残す方向で計画を組み直します。予算は前年度の約8,132万円から約3,567万円に減ります。
・国立天文台周辺のまちづくり
資材価格や人件費の上昇により、土地利用整備計画の策定を延期しました。令和8年度は、基本構想を見直し、事業費や整備手法を改めて検討します。
・井口特設グラウンド跡地
医療機関の建設工事の入札が成立せず、土地利用の開始時期が遅れています。このため、予算は前年度の約3億1,121万円から約2,206万円に減り、事業の時期や進め方を見直します。
物価高騰から市民生活を守る事業
・学校給食
食材価格の上昇に対応するため、給食単価を平均約10%引き上げます。保護者の負担は増やさず、小学校は国の制度を活用した東京都の補助金、中学校は東京都の補助金などで無償化を続けます。
・エアコン購入費の助成
猛暑への対策として、生活保護世帯や低所得世帯などを対象に、エアコンの購入・設置費を1世帯最大12万円助成します。東京都の補助金などを活用します。
・介護、障がい福祉、保育施設への支援
食材料費、光熱費、人件費が上がっているため、事業所の負担増が利用者の負担やサービス低下につながらないよう支援を続けます。
子どもへの支援を広げる事業
・不登校支援
令和7年度は小学校8校に支援員を配置していました。令和8年度は小学校15校と中学校2校へ広げ、校内で安心して過ごせる場所を増やします。
・こども誰でも通園制度
保育園などに通っていない生後6か月から3歳未満の子どもも、一定時間、保育施設を利用できる制度を始めます。国と東京都の制度・補助金を活用します。
・5歳児健康診査
就学前に発達上の課題などを早期に把握し、必要な支援につなげるため、新たに集団健診を始めます。
・大学等進学支援給付金
低所得世帯では、入学金や教材費などが進学の負担となっています。このため、対象者に10万円を給付する制度を新設します。
行政運営を見直す事業
・市ホームページのリニューアル
現在のシステムは導入から長期間が経過し、検索やスマートフォンでの利用に課題があります。検索機能やデザインを改善し、令和9年1月に全面リニューアルします。
・公共施設の包括管理
これまでは各部署が施設ごとに点検や修繕を発注していました。令和8年度から94施設の維持管理をまとめて専門事業者へ委託し、事務の効率化と故障の予防を進めます。予算の一部は、各部署に分かれていた既存経費をまとめたもので、すべてが新たな支出ではありません。
防災と交通の課題に対応する事業
・防災備蓄の充実
避難所のベッド、携帯トイレ、食料などの不足を補います。福祉避難所用の備蓄倉庫も整備します。
・トイレカーの導入
災害時のトイレ不足に備え、令和8年度にクラウドファンディングを行い、令和9年度の導入を目指します。
・北野地域の交通
これまでの運行状況を踏まえ、令和8年10月から「みたかシティバス」の北野ルートを休止し、地域全体を移動できるAIデマンド交通の実証運行を始めます。利用状況を検証し、今後の地域交通のあり方を判断します。
このように、令和8年度は、新しい事業を単純に増やすのではなく、物価高騰で難しくなった事業を延期・縮小・再検討する一方、福祉、子育て、防災など、すぐに対応が必要な分野へ重点的に予算を配分しています。